帚木巻(全十四首)
手を折りて あひ見しことを 数ふれば これひとつやは 君が憂きふし
左馬頭 ⇒ 女<恋人>(贈歌)
【意訳】
あなたと連れ添いし日々を指折り数えてみますと、まこと、これひとつだけがあなたのおつらさであったはずもなく。
※「やは」は反語表現で、「この一つではない」という意味を含む。
憂きふしを 心ひとつに 数へきて こや君が手を 別るべきをり
女<恋人> ⇒ 左馬頭(返歌)
【意訳】
あなたのつれなさを、わたくしは心ひとつで堪え忍んでまいりました。
けれど今は、こうしてお手を分かつ時なのでございましょうか。
※相手の詠んだ語句を用いて応答していることは、未練のあらわれとされる。
琴の音も 月もえならぬ 宿ながら つれなき人を ひきやとめける
男<殿上人> ⇒ 女<恋人>(贈歌)
【意訳】
琴の調べも月の光も格別に美しゅうございますのに、それでもなお、あの薄情な人を引き止めることは叶わなかったのですね。
木枯に 吹きあはすめる 笛の音を ひきとどむべき 言の葉ぞなき
女<恋人> ⇒ 男<殿上人>(返歌)
【意訳】
木枯らしの吹きすさぶなかに響く笛の音を、引きとどめるべき言の葉を、わたくしは持ちあわせておりませんの。
※「あなたを引き止める意志はございません」の意。
山がつの 垣ほ荒るとも 折々に あはれはかけよ 撫子の露
夕顔 ⇒ 頭中将(贈歌)
【意訳】
山里の垣根は荒れ果てていても、せめて時折は情けをかけてやってくださいませ、撫子の花に宿る露のようにかよわきあの子に。
※「撫子」は幼い子どもを指す。「私の子に会いにきてほしい」と願う。
咲きまじる 色はいづれと 分かねども なほ常夏に しくものぞなき
頭中将 ⇒ 夕顔(返歌)
【意訳】
庭に咲き交う花々の色はどれも見分けがつかぬほど美しゅうございますが、それでもやはり、常夏の花にかなうものはございません。
※「常夏」は「撫子」の異名。子から母(夕顔)へと巧みに主語が移っている。
うち払ふ 袖も露けき 常夏に あらし吹きそふ 秋も来にけり
夕顔 ⇒ 頭中将(返歌)
【意訳】
床の塵を払う袖さえ、涙に濡れている常夏に、激しく風が吹き荒ぶ秋が訪れてしまいました。
※「あらし」は頭中将の北の方の圧力。「秋」は「飽き」に通じる。
ささがにの ふるまひしるき 夕暮れに ひるま過ぐせと いふがあやなさ
式部丞 ⇒ 女<恋人>(贈歌)
【意訳】
蜘蛛が活発に動き、わたくしが訪れる徴しと見える夕暮れ時に、蒜の匂う昼を過ごしてからにせよとおっしゃるとは、まことに理に合いませぬ。
※「蒜(にんにく)」と「昼」をかけるしゃれ。
逢ふことの 夜をし隔てぬ 仲ならば ひる間も何か まばゆからまし
女<恋人> ⇒ 式部丞(返歌)
【意訳】
一夜も空けずに逢う仲であるならば、昼間にお会いしたとしても、はばかることなどありましょうか。
※男の長い不在を恨む歌。
つれなきを 恨みも果てぬ しののめに とりあへぬまで おどろかすらむ
光源氏 ⇒ 空蝉(贈歌)
【意訳】
あなたの冷たいお心を恨みきる間もなく、東雲の空は明けようとして、鶏までもが、取るものも取りあえぬほどに騒がしく鳴きたて、わたくしを呼び起こすのでしょうか。
※「取りあえぬ」に「鶏」がかかる。
身の憂さを 嘆くにあかで 明くる夜は とり重ねてぞ 音もなかれける
空蝉 ⇒ 光源氏(返歌)
【意訳】
この身のつらさを嘆いても、嘆き尽くせぬままに夜は明け、鶏の声に重ねて、わたくしの涙までもあふれてまいります。
※「取り重ね」に「鶏」を掛ける。
見し夢を 逢ふ夜ありやと 嘆くまに 目さへあはでぞ ころも経にける
光源氏 ⇒ 空蝉(贈歌)
【意訳】
夢のようであったあの夜以来、再び逢える夜はあるのかと嘆くうちに、目も冴えてしまい、幾夜もの衣の袖を重ねてしまいました。
※「逢う」は「夢が合う=正夢」「目が合わない=眠れぬ」「逢わぬ」などが掛かる。
帚木の 心を知らで 園原の 道にあやなく 惑ひぬるかな
光源氏 ⇒ 空蝉(贈歌)
【意訳】
近づけば消えるという『帚木』のような、あなたのお心を知らぬまま、園原の道にて、むなしくも迷い惑ってしまいました。
数ならぬ 伏屋に生ふる 名の憂さに あるにもあらず 消ゆる帚木
空蝉 ⇒ 光源氏(返歌)
【意訳】
数にも入らぬ伏屋の草のようなわが身は、名ばかりのつらさに耐えかねて、在るとも言えぬまま、あなたのもとから姿を消す『帚木』となりましょう。

- 価格: 1276 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 9900 円
- 楽天で詳細を見る
|
|
————————————————————————
【ご紹介された方限定】Ploom AURA を14日間お試ししませんか?】
■ Ploom AURA フリートライアルのポイント
1. お申し込みは無料&事前お支払い手続きも不要で、簡単にお申し込みできます
2. Ploom AURA とたばこスティック(9種類×1箱ずつ)を14日間お試しいただき、アンケートにご回答いただきます
3. 14日間のフリートライアル後、Ploom AURA をご購入(1,480円)又はご返却のどちらかをご選択ください
4. ご返却をご希望される場合も送料はかかりません
詳しくは以下URLをご確認ください。
https://www.clubjt.jp/brand-site/ploom/contents/free-trial/?t=44af5b699c2d4514a24c8b3a4be2b1fb
————————————————————————
PR