2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧
和歌英訳における意味生成の非可換性――音韻・修辞・文化記号の三層構造と翻訳行為の限界に関する批評的考察 多紀理 【序論】 本稿は、日本語和歌を英語へと訳出する際に生起する困難を、言語構造・音韻修辞・文化記号の三層において分析し、翻訳行為に内在す…
情念・身体・倫理の交錯――みだれ髪における近代女性主体の成立と恋愛詩学の展開 多紀理 与謝野晶子による歌集みだれ髪(明治三十四年刊)は、近代短歌史の転回点として位置づけられるべき作品でございます。本稿では、同歌集に顕著に認められる女性主体の生…
百人一首 58 後拾遺和歌集 巻第十二 恋ニ 709 離れがれなるをとこのおぼつかなくなどいひたりけるによめる 大弐三位 有馬山猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 口語訳『最新全訳古語辞典』東京書籍より 有馬山近くの猪名の笹原に風が吹くと、い…
百人一首 57 新古今和歌集 巻十六 雑上 1499 はやくより童友だちに侍りける人のとしごろへてゆきあひたるほのかにて七月十日のころ月にきほひてかへり侍りければ 紫式部 めぐり逢ひて見しや それとも分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月影 口語訳『最新全訳古語…
博士課程における研究の日々 ――史料に向き合うこころと修学継続の見通し 第一部 研究の道に入りて覚えしこと 大学院文学研究科博士課程に進学いたしましてより、学問に向き合う心持ちは以前とは大きく変わりました。修士課程にありし頃は、先人の築きし学説…