雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山家集 109 (続拾遺和歌集)

落花の歌あまたよみけるに 年を経て待つも 惜しむも山桜 心を春は 尽くすなりけり 西行 (山家集 109 (続拾遺和歌集)) 何年経っても咲くのを待ち、散るのを惜しむ気持ちがなくなることはない。山桜よ。花に心を使い果たすのが我が人生だったのだ。 古事記ゆる…

山家集 470 新古今和歌集 巻四 秋歌上 362

秋、ものへまかまりける道にて 心なき身にも あはれは知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ 西行(山家集 470 新古今和歌集 巻四 秋歌上 362) 【意訳】 出家して、ものの情趣を味わうことを断った身の私のような者にも、しみじみとした趣が自然と感じられたこと…

沖津島集 30 31

霜夜なり凍る 窓辺の息白く 夢を結ひつぐ 筆の光よ 田心 (沖津島集 30) 月影に散りゆく 思ひ綴りけり 真心宿す 灯の筆の跡 田霧 (沖津島集 31) 沖津島集(自歌) 朧月を見つつ 1. なかなかにさやかな心きりぎりすささやく朧負けじと進む 2. こころには花啓く意…

古今和歌集  巻第四  秋歌上  175

天の川紅葉を 橋にわたせばや 七夕つめの 秋をしも待つ 詠人不知 (古今和歌集 巻第四 秋歌上 175) 意訳 天の川に紅葉の葉が散ったのを水に浮かべて、 橋のように渡すからなのだろうか、 たなばた姫は恋人の訪れる季節として、 秋を特に待っている。 解説 「…

古今和歌集  巻第十三  恋歌三  635

秋の夜も名のみ なりけり逢ふといへば ことぞともなく 明けぬるものを 小野小町 (古今和歌集 巻第十三 恋歌三 635) 意訳 秋の夜が長いというのも評判だけで実体が伴わないのだなあ。 逢うという段になると、 何か事をなすという間もなく明けてしまうのだから…

古今和歌集 巻第十四 恋歌四 689

さむしろに衣 かたしき今宵もや 我を待つらむ うぢの橋姫 (うぢの玉姫) 詠人不知 (古今和歌集 巻第十四 恋歌四 689) 意訳 筵に、自分一人の衣だけを敷き、今宵も私を待つのだろうか。 あの、宇治の橋姫は。 所感 「宇治の橋姫」:宇治橋を守る女神。神話では…

紫式部集 25  26

暦に「初雪降る」と書きたる日、目に近き日野岳といふ山の雪、 いと深う見やらるれば、 ここにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩の松に 今日やまがへる 返し、 小塩山 松の上葉に 今日やさは 峯の薄雪 花と見ゆらむ (紫式部集 第二部 近江・越前 25 26) tagiri.…

詞花和歌集  巻第八  恋下 244

来ぬ人を恨みも はてじ契りおきし その言の葉も 情ならずや 藤原忠通 (詞花和歌集 巻第八 恋下 244) tagiri.hatenablog.com 法性寺入道前関白太政大臣 (ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん。1097年~1164年) 摂政関白藤原忠実(ふじ…

沖津島集 28 29

時の澄む朝靄 越えし秋の声 こたふるごとく 心静けし 一日生く命の水よ 透明わたり 待てばゆたけし 花の咲きたる 多紀理 (沖津島集 28 29) tagiri.hatenablog.com tagiri.hatenablog.com しびれる短歌 (ちくまプリマー新書 318) [ 東 直子 ]価格: 968 円楽…

古今和歌集  772

来めやとは思ふ ものから蜩の 鳴く夕暮れは 立ちまたれつつ 詠人不知 (古今和歌集 772) 意訳 来てくださるだろうか、いや期待はしないほうがいい。そう思いながらも、蜩の鳴き出す夕暮れになると、じっと座っていられなくなる、私は。 和泉式部の参考歌です…

山家集  巻上  春  127

散る花を惜しむ 心やとどまりて また来ん春の たねになるべき 西行 (山家集 巻上 春 127) 西行には「散る桜」を詠んだ歌が多くありますが、テキストによって異同があります。今回はその違いを比べながら、いくつかの歌を鑑賞してみます。 (A)散る花を惜し…

天の逆手(古事記)

故爾に天鳥船神を遣はして、八重言代主神を徴し来て、問ひ賜ひし時に、其の父の大神に語りて言ひけらく、「恐し。此の国は、天つ神の御子に立奉らむ。」といひて、即ち其の船を蹈み傾けて、天の逆手を青柴垣に打ち成して、隠りき。 『伊勢物語』には「あまの…

両面宿儺(日本書紀)

両面宿儺 六十五年 飛騨國有一人 曰宿儺 其爲人 壹體有兩面 面各相背 頂合無項 各有手足 其有膝而無膕踵 力多以輕捷 左右佩劒 四手並用弓矢 是以 不随皇命 掠略人民爲樂 於是 遣和珥臣祖難波根子武振熊而誅之 (日本書紀 上) 飛騨国に宿儺が現れたのは、初代…

古今和歌集 994 伊勢物語 23段

風吹けば沖つ 白波龍田山 夜半にや君が ひとり越ゆらむ 在原業平 (古今和歌集 994 伊勢物語 23段) 意訳 風が吹けば沖に白波が立つという…、龍田山を今夜あの方はひとりで越えてゆこうとしているのだわ。 歌の背景は、伊勢物語二十三段や古今集を読めばわかる…

中務集  179

うつつとも夢とも 分かで明けぬるを いづれのよにか または見るべき 中務 (中務集 179) 意訳 うつつのことか、夢であったのか判断がつかないうちに夜が明けてしまいましたけれど、これから先、いったいいつになったらまたお逢いすることができるのでしょう。…

古今和歌集  巻第十五  恋歌五  780

仲平の朝臣あひ知りて侍りけるを、かれ方になりにければ、父が大和の守に侍りける許へまかるとて、よみつかはしける。 三輪の山いかに 待ち見む年経とも たづぬる人も あらじと思へば (古今和歌集 巻第十五 恋歌五 780) 三輪の山で、どのようにしてあなたを…

自分史上最高級の肌に!

[和樂web様より転載] 石井美保さんがライン使いする「クレ・ド・ポー ボーテ」の最高峰スキンケア「シナクティフ」 Texts和樂web編集部 肌を浄め、満たし、育む〝浄化創生美〟 今、私たちが取り入れたいのは「クレ・ド・ポー ボーテ」の最高峰※1スキンケアラ…