雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

更級日記「あこがれ」

東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間、宵居などに、姉、継母などやうの人々の、その物語、か…

【光る君へ】平安の文学オタク女子!源氏物語の大ファンで「更級日記」の作者・ちぐさ(菅原孝標女)の人生

Japaaanマガジン様より転載 mag.japaaan.com ■ちぐさ/菅原孝標の娘(すがわらのたかすえのむすめ) のちに『更級日記』を記す。伯母は藤原道綱の母。父の赴任先にいた子どものころより『源氏物語』に憧れる。京に戻ったのちにようやく全巻を手に入れて感動…

一挙博覧 巻第二 53

月月に月見る 月は多けれど 月見る月は この月の月 詠人不知 (一挙博覧 巻第二 53) 古来、人々はこの夜の月を愛でて、供え物などしてきました。その源は、七夕と同じように中国ですが、唐の後半ごろから詩にも詠まれています。中でも有名なのは、11世紀始め…

二つの桃太郎と語り継がれる昔話の真実

実は、昔話『桃太郎』には、古くから「桃を食べたおばあさんが若返り、桃太郎を産む」という“回春型”のパターンが存在していました。 『桃太郎』といえば、日本の代表的な昔話であり、その有名さゆえに物語のあらすじを説明する必要もないほどです。桃から生…

自歌 薄紅

羽生善治先生(棋士)のお言葉を拝聴して感じた事を歌にして詠んでみました。(*◡̈) 薄紅の花咲く ころに歩みしは 奇しき縁ぞ 風に伝へよ 「薄紅の花が咲くころに歩みしは、不思議な縁であった」と表現されるこの歌は、私特有の優雅さと神秘的な縁(えにし)の…

山家集 巻中 雑 748 749

西行の「吹上の浜」を詠んだ歌は、能因法師が歌の功徳によって、伊予の国で雨を降らせた歌「あまのがはなはしろみづにせきくだせあまくだりますかみならばかみ」 (金葉集 雑下 625)を受けている。能因が歌の功徳によって雨を降らせたのに対し、西行は「吹上…