2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧
次に火之夜芸速男神を生みたまふ。 またの名は火之炫毗古神と謂ひ、またの名は火之迦具土神と謂ふ。 此の子を生みたまひしに因りて、みほと炙かえて病み臥せり。 是に伊耶那岐命、御佩かせる十拳の釼を抜き、其の子迦具土神の頸を斬りたまふ。 youtu.be 古事…
さて、かぐや姫、かたちの世に似ずめでたきことを、帝聞こし召して、内侍中臣房子にのたまふ、「多くの人の身を徒らになしてあはざなるかぐや姫は、いかばかりの女ぞと、まかりて見て参れ」とのたまふ。房子、承りてまかれり。 「よきかたちにもあらず。いか…
是に其の妹伊耶那美命を問ひて曰りたまはく、 「汝が身はいかにか成れる」とのたまふ。 答へて白さく、 「吾が身は成り成りて、成り合はぬ処一処在り」とまをす。 尓して伊耶那岐命詔りたまはく、 「我が身は成り成りて、成り余れる処一処在り。故此の吾が身…
紅の深染めの衣を下に着ば人の見らくににほひ出でむかも 読人不知 (萬葉集 巻第十一 譬喩歌 2828) Photo:毎年7月に行われる「山形紅花祭り」(紅花は山形県、山形市の花です) くれなゐ (万葉表記 紅 呉藍 久礼奈為 ) 末摘花((うれつむはな)とも ベニバ…
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、讃岐造となむ言ひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。 あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。 それを見れば、三寸ばかりなる人、い…
是に天つ神諸の命以ち、伊耶那岐命伊耶那美命の二柱の神に詔りたまはく、 「是のただよへる国を修理め固め成せ」 とのりたまひ、天の沼矛を賜ひて、言依さし賜ふ。故二柱の神、天の浮橋に立たして、其の沼矛を指し下ろして画かせば、塩こをろこをろに画き鳴…
「天地初めて発くる時に、 髙天原に成りませる神の名は、天之御中主神。次に御産巣日神。次に髙神産巣日神。此の三柱の神は、みな独神と成り坐して、身を隠したまふ。」 「次に国稚く、浮ける脂の如くしてくらげなすただよへる時に、葦牙の如く萌え騰る物に…
住の江の松ほどひさになりぬれば葦田鶴の音になかぬ日はなし 兼覧王 (古今和歌集 巻第十五 恋歌五 779) 【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】 住之江の松はすっかり久しくなったが、 私もあの方を待つのが随分久しくなったので、 芦田鶴が声を上げて…
伊耶那岐命畏みて、逃げ還ります時 ・・・黄泉つ比良坂の坂本に到ります時、その坂本に在る桃子三個取らして、待ち撃てば、悉く坂返りつ。 爾して、伊耶那岐命、桃子に告らさく、 汝、吾を助けしが如く、葦原中国に有ら所る宇都志伎青人草の、苦しき瀬に落ち…
白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消なましものを 在原業平 (新古今和歌集 851) 白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを (伊勢物語 六段 芥川) 歌詠み 多岐都 Ise Monogatari Emaki (Picture by Sumiyoshi Jyokei, words by Otagi Michit…
大学寺に人々あまたまかりたりけるに、古き滝を詠み侍ける 滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ 大納言公任(藤原公任)(千載集 雑上 1035)(拾遺和歌集 449)(百人一首 55) まるで呪文じゃないか!平安貴族・藤原公任の明らかに長すぎる…