伊耶那岐命畏みて、逃げ還ります時
・・・黄泉つ比良坂の坂本に到ります時、その坂本に在る桃子三個取らして、待ち撃てば、悉く坂返りつ。
爾して、伊耶那岐命、桃子に告らさく、
汝、吾を助けしが如く、葦原中国に有ら所る宇都志伎青人草の、苦しき瀬に落ちて患へなやむ時、助く可しと告らして、名號は意富加牟豆美命と錫ひき。
桃の実は女性のシンボルの形をしているので、女性のたくましい生殖力が悪霊や邪気を追い払う力があるとみられているのです。
天国(黄泉の国)への手紙・Letter to heaven
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桃の霊力ーイザナギを助けた邪気祓いの果実ー【黄泉の国】
見てはいけないもの
神話 黄泉の国について
日本人は、肉体の死という厳しい現実の前に生命力が衰弱し、気が衰えた状態を穢れと捉えたのでしょう。
しかし、その死をきっかけに生の意味を問い直し、祖先から享けた生を少しでも発展させて子孫に受け継いでゆくことが大切なつとめと見出したのです。
死とは生命の継承の節目とも言えましょう。
また「古事記」には、伊邪那美命の死の様子に驚いて、黄泉の国から逃げる伊邪那岐命が、追手に対し、髪にさした櫛の歯や桃の実を投げて退散させたと記されています。
桃は邪気を払い、私たちを守ってくれるという考えは桃の節句にも通じるものです。
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