雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

中務集  179

うつつとも夢とも

分かで明けぬるを

いづれのよにか

または見るべき

中務 

(中務集  179)

 

 

 

意訳

うつつのことか、夢であったのか判断がつかないうちに夜が明けてしまいましたけれど、これから先、いったいいつになったらまたお逢いすることができるのでしょう。

 

 三十六歌仙のひとりである中務(なかつかさ)は、字多天皇の皇子・敦慶親王と伊勢との間に生まれました。『後撰和歌集』の時代の宮廷で華やかに活躍しましたが、これを贈った相手がだれかはわかってはいません。この歌から、王朝和歌がだんだんと演技的、技巧的になっていったといわれます。

 

 

 


 

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