2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧
後拾遺和歌集 104 紫式部 世の中をなに 嘆かまし山桜 花見るほどの 心なりせば 意訳 ・・世の中を嘆いて何になりましょうか。人の命のはかなさは、山桜の盛りのほどに短うございますのに。 これは紫式部が辞世に詠み、御娘の藤原賢子(かたこ)に遺された御…
古今和歌集 巻第十四 恋歌四 693 題しらず 詠人不知 君来ずはねやへも 入らじ濃紫 わがもとゆひに 霜はおくとも 古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳 あなたが来てくださらないうちは、寝室へも入りますまい。 たとえ私の濃紫の元結に霜が置くことがあっ…
萬葉集 巻第一 20 天皇(てんわう)、 額田王 蒲生野に遊猟するときに、 額田王の作る歌 あかねさす紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る 教科書『国語総合』(桐原書店)の訳 天智天皇(兄)が蒲生野でみ狩りをするときに、額田王が作る歌 額田王 紫草…
和樂web様より転載、多紀理推敲校正 Do you know the proper route to Izumo Taisha, the cherished shrine of love and marriage? Here is your gentle, complete guide for strolling through its serene grounds and sacred inner precincts Izumo Taisha…
ヘルシーでおいしい精進料理おつまみレシピ──3種のやさしい作り方 多紀理 精進料理とは 「精進料理」と申しますのは、肉や魚をいっさい用いず、「ねぎ・にら・らっきょう・にんにく・しょうが」といった辛みの強い五葷も避けるという、仏教の教えに基づいた…
五十四帖梗概(二十九) 行幸 ― The Royal Visit ― 源氏は、玉鬘の御身の行く末をいかにお計らいなさるべきかにつきまして、次第にお悩みになっておいででございました。十二月には大原野への行幸がございまして、その折に物見に出られた玉鬘は、はじめて父…
行幸 九首 雪深き 小塩山に たつ雉の 古き跡をも 今日は尋ねよ 冷泉帝 ⇒ 光源氏(贈歌) 【意訳】 雪深き小塩山に舞い降りる雉にたとえ、往古の例にならいまして、本日の行幸にもお出ましくださいましたならば、どれほど麗しく心強いことでございましょう、…
古今和歌集 巻第十三 恋歌三 664 題しらず 詠人不知 山科のおとはの 山の音にだに 人のしるべく わが恋ひめかも この歌、ある人、近江の采女のとなむ申す 古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳 山科の音羽の山ではないが、音なんかに表して他人が感づくほ…
国生み・神生みにおける数的構造と神々の生成系譜 —— 伊邪那岐命・伊邪那美命の神統譜に見る多層的分化の神学 —— 多紀理 序言 本稿は、『古事記』冒頭部におきまして、伊邪那岐命と伊邪那美命の二神が担われました「国生み」「神生み」、さらに火之迦具土神…
新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1361 題知らず 詠人不知 浦に焚く藻塩の 煙なびかめや 四方の方より 風は吹くとも 新編日本古典文学全集「新古今和歌集」(訳者 峯村文人 小学館)の訳 題知らず 読人しらず 浦で焚く藻塩の煙がなびくように、心がなびきましょう…
紫式部集 58 紫式部 初めて内裏わたりを見るにも、もののあはれなれば、 身の憂さは心の うちに慕ひきて いま九重ぞ 思ひ乱るる 意訳 わが身のつらさは心の奥にしみついて、いまはこの九重の宮中においてこそ、さまざまな思いが入り乱れております。 読みの…
萬葉集 巻十一 2513 柿本人麻呂 雷神の少し 響みてさし曇り 雨もふらぬか 君を留めむ 返し 雷神の少し 響みてふらずとも 吾は留らむ 妹し留めば 意訳 雷がほのかに鳴り、空は翳(かげ)りて、やがて雨など降りはせぬかしら。あなたをこのまま、ここに留めてお…
萬葉集 巻第四 496 柿本朝臣人麻呂が歌 柿本人麻呂 み熊野の浦の 浜木綿百重なす 心は思へど 直にあはぬかも 教科書『国語総合』(第一学習社)の訳 柿本朝臣人麻呂の歌柿本人麻呂 熊野の海岸に咲く浜木綿が幾重にも重なり合っているように、あなたを幾重に…
五十四帖梗概(二十八) 野分 ― The Typhoon ― 八月のある日、野分が例年にもまして烈しく吹き荒れた日でございました。 夕霧の君は、お父君のお見舞いのために急ぎ参られましたところ、折からの風にあお られ、ふと開いた簾の隙より、紫の上のいとお美しい…
野分 四首 おほかたに 荻の葉過ぐる 風の音も 憂き身ひとつに しむ心地して 明石の君(独詠歌) 【意訳】 例のごとく、荻の葉の上を吹き過ぎてゆく風の音も、憂きわが身ひとつにのみ染み入る思ひがいたしまして。 ※野分の見舞の言葉を残すのみで、すぐに立ち…
紫式部集 53 紫式部 世を常なしなど思ふ人の、幼き人の悩みけるに、唐竹といふもの、瓶に挿したる女ばらの祈りけるを見て、 若竹の生ひゆく 末を祈るかな この世を憂しと 厭ふものから 意訳 まるで若竹が力強く伸びていくように、未来が無事でありますように…