守覺法親王家に五十首歌よませ侍りけるに、旅の歌
野辺の露うらわの
浪をかこちても
ゆくへも知らぬ
袖の月影
(新古今和歌集 巻第十 羈旅歌 935)

守覚法親王の家で五十首の歌を詠ませました時に、旅の歌
袖を濡らす野辺の露や浦わの波を嘆いて、
まあ、どうなるかわからない
旅の袖の涙に映る、月の光よ。

神奈川県 鎌倉中期 紙本墨書 巻子装 縦28.4cm 全長302.5cm 1巻 神奈川県横浜市金沢区瀬戸22-2
重文指定年月日:20150904 国宝指定年月日: 登録年月日: 公立大学法人横浜市立大学国宝・重要文化財(美術品)
解説
元久2年(1205)、『新古今和歌集』の完成を祝し、後鳥羽院(1180~1239)によって催された歌会の和歌をまとめたものである。巻頭の後鳥羽院御製1首と、藤原良経らの各1首、計20首を収めている。勅撰集の完成にともない、初めて催された竟宴における和歌でり、かつ鎌倉時代中期に遡る現存最古写本として貴重である。また金沢文庫にでんらいしたものとして注目される。
題詞;1198年、
守覚法親王の家で開催された歌会で
五十首の歌を詠ませなさいました。
その時の旅の歌。
作者;藤原家隆
野に置かれている露のように
大粒の涙がこぼれます。
心残りで諦められない気持ちが
波のように押し寄せてくるのです。
恨みに思い
愚痴をこぼして嘆いてみても
私の行先や
将来のこと、
これからの成り行きは
どうなるのかわからないもの。
涙で濡れた袖に
月明かりが映り込んでいますよ。
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