雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

自歌(春北斗)

春北斗霞みわたる空見ればわが袖の露もそよと消ゆ 多紀理 立つ春の朝よみける山の端の霞むけしきにしるきかなけさよりやさは春の曙西行法師(山家集 春 2)薄紅に葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花若山牧水春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく、…

おばあちゃんからの返歌

かくまでも醜き凡夫になりたれば捧げし人のただに借しまる 書 多紀理 歌詠 多岐都 おばあちゃんからの返歌... 明日も明後日も明明後日もずーっと丁寧に日々を過ごしていきたいです。 今日は多岐都と地元桜巡り。(*◡̈) 眠れないほどおもしろい万葉集 なぜ、こ…

萬葉集 巻第一 1

泊瀬の朝倉の宮に天の下知らしめす天皇の代 大泊瀬稚武天皇 天皇の御製歌 篭もよみ篭持ち堀串もよみ堀串持ちこの岡に菜摘ます子家聞かな告らさねそらみつ 大和の国はおしなべて我れこそ居れしきなべて我れこそ座せ我れこそば 告らめ家をも名をも 雄略天皇 (…

己の器の小ささを嘆く(自歌)

己の器の小ささを嘆く 浅茅生の小野の草花踏み分けて我が行く道ぞ恋しきもの 世の中よ何事も思ひのままならぬなかぞ恋しき人目も憂き 麗しき花の散りぬる春の日に思ひ出づるは古りにし人 多紀理 器が大きい、懐が深い。 信念を貫いている 投げ出さず最後まで…

春 山家集 春 2 (西行法師 若山牧水 清少納言)

立つ春の朝よみける 山の端の霞むけしきにしるきかなけさよりやさは春の曙 西行法師 (山家集 春 2) 薄紅に葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花 若山牧水 春は、あけぼの。 やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびき…

古今和歌集 巻第ニ 春歌下 113 百人一首 9

花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに 小野小町 (古今和歌集 巻第ニ 春歌下 113) (百人一首 9) 小野小町は六歌仙、三十六歌仙の一人です。 絶世の美女として知られ、国内では三大美女の一人に数えられる女性で、遣隋使小野妹子の…

新古今和歌集 巻第一 春歌下 114 拾遺集 春歌 50

摂政太政大臣家に五首歌よみ侍けるに またや見む交野のみ野の桜狩花の雪降る春のあけぼの 藤原俊成(皇太后宮大夫俊成) (新古今和歌集 巻第一 春歌下 114) 桜狩雨は降りきぬおなじくは濡るとも花の影に隠れむ 詠人不知 (拾遺集 春歌 50) intojapanwaraku.com …

一条天皇(懐仁親王)の即位式で起きた生首事件

寛和2年(986年)8月30日、懐仁親王が即位しました。後の一条天皇です。 即位礼の当日、天皇陛下の玉座である高御座(たかみくら)に生首が乗っているのを発見しました。 このエピソードは平安末期の歴史物語集『大鏡』に記述があります。 ……前の一条院の御即…

自歌(佐保姫)、女大學

佐保姫の霞に迷う心こそ立ち向かうべき時ぞ来にけり 佐保姫の春の光に照らされてこころ新たに歩み出す 多紀理 インスタグラム https://www.instagram.com/stories/highlights/18014834486008562/ Onna daigaku Imprint:by Kaibara Ekken, (The Great Learnin…

(拾遺和歌集 恋三 763 百人一首 57)( 新古今和歌集 雑歌上 1499 百人一首 56)

あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびの逢ふこともがな 和泉弐部 (拾遺和歌集 恋三 763 百人一首57) Soon I cease to be;-- One fond memory I would keep When beyond this world. Is there, then, no way for me Just once more to meet with the…

光る君へ めぐりあい

恋愛を助ける代筆稼業で、才能を開花させ始めるまひろ(吉高由里子さん)(写真はNHKさん提供) 散りゆきてまた来る春はながけれどいとしき君にそわばまたなん NHKさん 書き手:歌僧 内田圓学 多紀理 今やはや風に散りかふさくら花たたずむ袖の濡れもこそす…

拾遺和歌集 恋四 870 百人一首 38

忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな 右近 (拾遺和歌集 恋四 870) (百人一首 38) Though forgotten now, For myself I do not care: He, by oath, was pledged;-- And his life, who is forsworn, That is, ah! so pitiful. 百人一首 038 …

古事記 研究まとめ⑫「天の岩屋②」「蚕と穀物の種」(学部生時代のレポート) [終]

是を以ち八百万の神、天の安の河原に神集ひ集ひて、御産巣日神の子思金神に思はしめて、常世の長鳴鳥を集め鳴かしめて、天の安河の河上の天の堅石を取り、天の金山の鉄を取りて、鍛人天津麻羅を求ぎて、伊斯許理度売命に科せ、鏡を作らしめ、玉祖命に科せ八…

古事記 研究まとめ⑪「天の岩屋①」(学部生時代のレポート)

勝さびに天照大御神の営田の阿を離ち、其の溝を埋み、また其の大嘗聞こし看す殿に屎まり散らす。故然為れども、天照大御神はとがめずて告りたまはく、「屎如すは酔ひて吐き散らすとこそ我がなせの命かく為つれ。また田の阿を離ち溝を埋むは、地をあたらしと…

古今和歌集 巻第十三 恋歌三 635

秋の夜も名のみなりけりあふと言へばことぞともなく明けぬるものを 小野小町 (古今和歌集 巻第十三 恋歌三 635) 上村松園『小野小町図』 1935年 余談ですが、小野小町を世界三大美女と言い出したのは明治時代から。 おそらく当時の講談師や新聞記者など…

古事記 研究まとめ⑩「誓約②」(学部生時代のレポート)

(故尓しておのもおのも天の安河を中に置きてうけふ時に、天照大御神まづ建速湏佐之男命の佩ける十拳の釼を乞ひ度し、三段に打ち折りて、ぬなとももゆらに、天の真名井に振り滌きて、さがみにかみて、吹き棄つる気吹の狭霧に成れる神の御名は、多紀理毗売命、…

古事記 研究まとめ⑨「誓約①」(学部生時代のレポート)

故是に速湏佐之男命、言したまはく、「然あらば天照大御神に請しに罷らむ」とまをす。天に参上りたまふ時に、山川悉く動み国土皆震ひぬ。尓して天照大御神聞き驚きて詔りたまはく、「我がなせの命の上り来る由は、かならず善き心にあらじ。我が国を奪はむと…

古事記 研究まとめ⑧「三貴子の分治」(学部生時代のレポート)

此の時に伊耶那伎命いたく歓喜ばして詔りたまはく、「吾は子を生らし生らして、生らす終に、三の貴き子を得つ」とのりたまふ。其の御頸珠の玉の緒もゆらに取りゆらかして、天照大御神に賜ひて詔りたまはく、「汝が命は高天原を知らせ」と、事依さして賜ふ。…

古事記 研究まとめ⑦「禊」(学部生時代のレポート)

是を以ち伊耶那伎大神詔りたまはく、「吾は伊那、仕許米仕許岐、穢き国に到りて在りけり。故吾は御身の禊為む」とのりたまひて、竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原に到り坐して、禊き祓へたまふ。 是に左の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、天照大御神…

古事記 研究まとめ⑥「黄泉の国②」(学部生時代のレポート)

是に伊耶那岐命、見畏みて逃げ還ります時に、其の妹伊耶那美命言さく、 「吾に辱見せつ」とまをす。 よもつしこめを遣はし追はしむ。尓して伊耶那岐命、黒御縵を取り、投げ棄つるすなはち蒲子生る。是を摭ひ食む間に逃げ行でます。なほ追ふ。 また其の右の御…

古事記 研究まとめ⑤「黄泉の国」(学部生時代のレポート)

是に其の妹伊耶那美命を相見むと欲ほし、黄泉国に追ひ往でます。 尓して殿の縢戸より出で向かへたまふ時に、伊耶那岐命語りて詔りたまはく、 「愛しき我がなに妹の命、吾と汝と作れる国、いまだ作り竟へず。故、還るべし」とのりたまふ。尓して伊耶那美命答…

古事記 研究まとめ④「神生みと伊耶那美神の神避り」(学部生時代のレポート)

次に火之夜芸速男神を生みたまふ。 またの名は火之炫毗古神と謂ひ、またの名は火之迦具土神と謂ふ。 此の子を生みたまひしに因りて、みほと炙かえて病み臥せり。 是に伊耶那岐命、御佩かせる十拳の釼を抜き、其の子迦具土神の頸を斬りたまふ。 youtu.be 古事…

竹取物語、暗号、かぐや姫、その弍

さて、かぐや姫、かたちの世に似ずめでたきことを、帝聞こし召して、内侍中臣房子にのたまふ、「多くの人の身を徒らになしてあはざなるかぐや姫は、いかばかりの女ぞと、まかりて見て参れ」とのたまふ。房子、承りてまかれり。 「よきかたちにもあらず。いか…

古事記 研究まとめ③「二神の結婚 」(学部生時代のレポート)

是に其の妹伊耶那美命を問ひて曰りたまはく、 「汝が身はいかにか成れる」とのたまふ。 答へて白さく、 「吾が身は成り成りて、成り合はぬ処一処在り」とまをす。 尓して伊耶那岐命詔りたまはく、 「我が身は成り成りて、成り余れる処一処在り。故此の吾が身…

萬葉集 巻第十一 譬喩歌 2828

紅の深染めの衣を下に着ば人の見らくににほひ出でむかも 読人不知 (萬葉集 巻第十一 譬喩歌 2828) Photo:毎年7月に行われる「山形紅花祭り」(紅花は山形県、山形市の花です) くれなゐ (万葉表記 紅 呉藍 久礼奈為 ) 末摘花((うれつむはな)とも ベニバ…

竹取物語、暗号、かぐや姫、その壱

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、讃岐造となむ言ひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。 あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。 それを見れば、三寸ばかりなる人、い…

古事記 研究まとめ②「おのごろ島」(学部生時代のレポート)

是に天つ神諸の命以ち、伊耶那岐命伊耶那美命の二柱の神に詔りたまはく、 「是のただよへる国を修理め固め成せ」 とのりたまひ、天の沼矛を賜ひて、言依さし賜ふ。故二柱の神、天の浮橋に立たして、其の沼矛を指し下ろして画かせば、塩こをろこをろに画き鳴…

古事記 研究まとめ①「天地開闢」(学部生時代のレポート)

「天地初めて発くる時に、 髙天原に成りませる神の名は、天之御中主神。次に御産巣日神。次に髙神産巣日神。此の三柱の神は、みな独神と成り坐して、身を隠したまふ。」 「次に国稚く、浮ける脂の如くしてくらげなすただよへる時に、葦牙の如く萌え騰る物に…

古今和歌集 巻第十五 恋歌五 779 

住の江の松ほどひさになりぬれば葦田鶴の音になかぬ日はなし 兼覧王 (古今和歌集 巻第十五 恋歌五 779) 【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】 住之江の松はすっかり久しくなったが、 私もあの方を待つのが随分久しくなったので、 芦田鶴が声を上げて…

古事記 黄泉平坂 桃

伊耶那岐命畏みて、逃げ還ります時 ・・・黄泉つ比良坂の坂本に到ります時、その坂本に在る桃子三個取らして、待ち撃てば、悉く坂返りつ。 爾して、伊耶那岐命、桃子に告らさく、 汝、吾を助けしが如く、葦原中国に有ら所る宇都志伎青人草の、苦しき瀬に落ち…