雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

和歌

萬葉集 巻第四 527

来むと言ふも来ぬ時あるを来じと言ふを来むとは待たじ来じと言ふものを 大伴坂上郎女 (萬葉集 第4巻 527) 当代随一の女流万葉歌人!大伴坂上郎女 【大宰府の偉人(出身:奈良市)】 『万葉集』を編纂した大伴家持の叔母にあたり、万葉集に84首もの歌を残した…

風雅集 983 新古今和歌集 恋歌一 1034

月前恋といふことを 月はただむかふばかりのながめかな心のうちのあらぬ思ひに祝子内親王(風雅集 983) 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする 祝子内親王 (新古今和歌集 恋歌一 1034) (百人一首 89番) 祝子内親王 鎌倉時代後期~南北朝…

辞世の句(上杉謙信)

極楽も地獄もさきは有明の月の心にかかる雲なし 上杉謙信 (辞世の句) 絵、上杉謙信の肖像画 上杉謙信(上杉景虎)は、戦国時代の越後国の大名。享禄3年(1530年)に生まれ、天正6年(1578年)に死没。 戦国時代の武将たちのなかでも屈指の戦上手と…

源氏物語 五帖 若紫

見てもまた逢ふ夜まれなる夢のうちにやがて紛るる我が身ともがな とむせかへりたまふさまも、さすがにいみじければ... 光源氏 (源氏物語 五帖 若紫) 源氏物語図 若紫(巻5)日本画 / 安土・桃山 / 大分県 狩野派 桃山時代/17世紀 紙本金地着色 縦36.2×横56.…

源氏物語 第四章 匂宮と浮舟、橘の小島の和歌を詠み交す

匂宮と浮舟、橘の小島の和歌を詠み交す 匂宮、雪の山道の宇治へ行く かの人の御けしきにも、いとど驚かれたまひければ、あさましうたばかりておはしましたり。京には、友待つばかり消え残りたる雪、山深く入るままに、やや降り埋みたり。 常よりもわりなきま…

新古今和歌集 巻第七 賀歌 707

貢物許されて国富めるを御覧じて 仁徳天皇御歌 高き屋に登りて見れば煙立つ民のかまどはにぎはひにけり (新古今和歌集 巻第七 賀歌 707) 『東錦昼夜競』より「仁徳天皇」(部分)1886年(明治19年)楊洲周延 画 国内最大の前方後円墳、仁徳天皇陵古墳=堺市 …

新古今和歌集 巻第一 春歌上 77

荒小田の去年の古跡の古蓬今は春べとひこばえにけり 曽禰好忠 (新古今和歌集 巻第一 春歌上 77) 題詞;朱雀天皇の御代、 大きな地震で大きな被害があった(938年4月15日、天慶地震)ことを 詠む 作者;曾禰好忠 去年(938年)、勢いが強く、荒々しい地震があり、…

新古今和歌集 巻第六 冬歌 698

石上布留野の小笹霜を経てひと夜ばかりに残る年かな 摂政太政大臣 (新古今和歌集 巻第六 冬歌 698) 横浜「除夜の汽笛」 横浜 中華街・みなとみらい ’24/旅行【1000円以上送料無料】価格: 1155 円楽天で詳細を見る NUROモバイル NUROモバイル ソニーネットワ…

山家集 巻上 春 77 続古今和歌集 巻第十七 雑歌集 1527

願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃 西行法師 (山家集 巻上 春 77) (続古今和歌集 巻第十七 雑歌集 1527) 紙本著色西行法師行状絵詞(第三巻) 百人一首86西行法師 西行法師図 橋本雅邦筆 明治25年(東京大学 駒場博物館蔵) JR桜木町駅すぐ近…

西行法師歌集 涙こぼるゝ

何事のおはしますをば知らねどもかたじけなさに涙こぼるゝ 西行法師 (西行法師歌集) 白洲正子は著書『西行』の中で、この歌が彼のものかどうかも疑わしいところもあるが、それでも彼の歌と信じられてきたのは、「いかにも彼らしい素直さと、うぶな心が現れて…

新古今和歌集 巻第六 冬歌 556

大堰川にまかりて、 落葉満水(らくえふみづにみつ)といへる心を よみ侍りける 高瀬舟しぶくばかりにもみぢ葉の流れて下る大堰川かな 藤原家経朝臣 (新古今和歌集 巻第六 冬歌 556) 大井川ダム 私が好きな物の一つにダムがあります。特別な専門知識があるわけ…

新古今和歌集 巻第六 冬歌 570

月を待つ高嶺の雲は晴れにけり心あるべき初時雨かな 西行法師 (新古今和歌集 巻第六 冬歌 570) 手塚恵華keika様 西行 魂の旅路 ビギナーズ・クラシックス日本の古典 (角川ソフィア文庫) [ 西澤 美仁 ]価格: 924 円楽天で詳細を見る NUROモバイル NUROモバ…

山家集 517

冬枯れの冷(すさま)じげなる山里に月の澄むこそあはれなりけれ 西行法師 (山家集 517) 冬の佐鳴湖の有明の月 西行:歌と旅と人生 作者:寺澤 行忠 新潮社 Amazon 西行花伝(新潮文庫)【電子書籍】[ 辻邦生 ]価格: 1155 円楽天で詳細を見る NUROモバイル NU…

古今和歌集 巻第十七 雑歌上 906

住吉の岸の姫松人ならばいく世かへしととはましものを 詠人不知 (古今和歌集 巻第十七 雑歌上 906) www.youtube.com 古今和歌集(全現代語訳付) 作者:窪田空穂 やまとうたeブックス Amazon 「古今和歌集」の創造力 (NHKブックス 1254) [ 鈴木 宏子 ]価格…

後拾遺和歌集 恋三 755

黒髪のみだれもしらずうち臥ふせばまづかきやりし人ぞ恋しき 和泉式部 (後拾遺和歌集 恋三 755) 和泉式部図 江戸時代 休圓筆 和泉式部全集 江戸時代 静居編纂 全十三巻(二巻欠本) 学部生の時、『万葉集』についての講義だったと思いますが、勅撰集を編むにし…

新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1303

忘れじの言の葉いかになりにけむ頼めし暮は秋風ぞ吹く 宜秋門院丹後 (新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1303) 『新三十六歌仙図帖 宜秋門院丹後』狩野探幽 絹本着色 寛文4(1664)年 33.3×26.2 東京国立博物館 出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp) www.yo…

後拾遺和歌集 巻第四 秋上 319

さらでだにあやしきほどのたそかれに荻ふく風の音ぞきこゆる 斎宮女御(徽子女王) (後拾遺和歌集 巻第四 秋上 319) 佐竹本三十六歌仙絵・斎宮女御 琴の音に峯の松風かようらし いずれの緒よりしらべそめけむ 斎宮女御集 斎宮女御徽子(きし/929~985)の家集…

古今和歌集 巻第十二 恋歌二 552

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを 小野小町 (古今和歌集 巻第十二 恋歌二 552) 小野小町の歌を紀貫之は『万葉集』時代の清純さと王朝浪漫性を兼備していると絶賛した。 『小野小町図』(部分) 土佐光高 絹本着色 江戸時代 各100.3×4…

拾遺和歌集 巻第十七 1201

岩橋の夜の契りも絶えぬべし明くるわびしき葛城の神 小大君 (拾遺和歌集 巻第十七 1201) 小大君は三条院が皇太子のときに女官を務めた。左近の別称で伝わる。才媛でありながら美女。『藤房本三十六歌仙絵(模本)小大君』 紙本着色 江戸時代・19世紀 東京国…

竹取物語

なほ、この女見では、世にあるまじき心地のしければ、「天竺(てんぢく)にある物も持て来ぬものかは」と思ひめぐらして、石作(いしつくり)の皇子は、心の支度(したく)ある人にて、「天竺に二つとなき鉢(はち)を、百千万里の程(ほど)行きたりとも、…

古今和歌集 巻第十二 603

恋ひ死なばたが名は立たじ世の中の常なきものと言ひはなすとも 深養父 (古今和歌集 巻第十二 603) 小倉百人一首 36番歌 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづくに月宿るらむ (古今和歌集 夏 166) 阪本桃水(純子)書 深養父集・小馬命婦集全釈 (私家集全…

新古今和歌集 巻第十六 1471

世の中を思へばなげて散る花のわが身をさてもいづちかもせむ 西行法師 (新古今和歌集 巻第十六 1471) 富士見西行 出典:メトロポリタン美術館データベースをもとに加工して作成 願はくは花のしたにて春死なむその如月の望月のころ (願いが叶うなら、春、満…

山家集 177

まがふべき月なき頃の卯の花は夜さへさらす布かとぞ見る西行法師(山家集 177) 横浜ベイブリッジから昇る満月、横浜市山下公園(6秒間露光) 西行の月 - 犀のように歩め 西行は『聞書残集』に、次のような歌を詠んでいます。 憂き世にはほかなかりけり 秋の…

萬葉集 巻第十四 3468

山里は夜ふけなれば月の光人も住まずしてこころだにもなし 詠人不知 (萬葉集 巻第十四 3468) 精選版 日本国語大辞典 「万葉集」の意味・読み・例文・類語 まんようしゅう マンエフシフ【万葉集】 (万(よろず)の世(葉)に伝えらるべき集、万(よろず)の言葉ま…

新古今和歌集 巻第十四 2599

つれあひし一夜の帰りにぞめづる身のいたしき物を思うころかな 持統天皇 (新古今和歌集 巻第十四 2599) 百人一首 持統天皇 (歌川国芳画) Source: ホノルル美術館 春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天香具山 持統天皇(じとうてんのう)鸕野讚良(うののさらら…

新古今和歌集 巻第十 979

小夜のけしきこそこそさびしき月にいかでかくるるものをながめつつぞ思ふ 藤原俊成 (新古今和歌集 巻第十 979) 百人一首83番歌 世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 藤原俊成 (1114-1204) 藤原俊忠の息子で、定家の父。優れた歌人で、歌学者…

古今和歌集 巻第一 13

奢らぬともよそを恋ふるよしも物おこし淡き光となりぬる 柿本人麻呂 (古今和歌集 巻第一 13) 鎌倉時代・13世紀 絹本着色 123.6x83.0 1幅 東京国立博物館 いろは歌の都市伝説 「いろはにほへと…」で知られる「いろは歌」には、ある暗号が隠されているという。…

新古今和歌集 巻第九 1796

浅茅生の小篠原忍ぶれどあまりてなどか人の夢忘れさらまし 清原深養父 (新古今和歌集 巻第九 1796) 小倉百人一首(36) 歌人/ 〈上の句〉夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 〈下の句〉雲のいづこに 月やどるらむ なつのよはまだよひながらあけぬるを くものい…

萬葉集 巻第三 482

わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなりけり 柿本人麻呂 (萬葉集 巻第三 482) 万葉集の巻一と巻二は、万葉集の中で最初に編纂されたものと考えられている。多くの和歌が雑歌と相聞歌と挽歌に分けられて、その中で年代順に並べられている。採…

新古今和歌集 巻第十一 2216

白露のつゆのあまりになむ涙をかくせる友なしとはせじ 藤原実定 (新古今和歌集 巻第十一 2216) 百人一首 81番 ほととぎす 鳴きつる方を 眺むればただありあけの月ぞ残れる 後徳大寺左大臣 藤原実定 (1139-1191) 右大臣公能の子で、定家の従兄弟。祖父の徳大…