世の中を思へばなげて散る花のわが身をさてもいづちかもせむ
西行法師
(新古今和歌集 巻第十六 1471)
富士見西行
出典:メトロポリタン美術館データベースをもとに加工して作成
願はくは花のしたにて春死なむその如月の望月のころ
(願いが叶うなら、春、満開の桜の木の下で、お釈迦様が入滅した2月15日の満月のころに死にたいなあ)
60歳のころ、西行が詠んだ歌です。実際に西行が亡くなったのは、それから10数年が過ぎた1190(建久元)年2月16日。死ぬ日付までほぼ言い当てた見事な去りぎわは、西行という歌人の存在を伝説にします。
西行にとって桜という花は、ただ美しさを愛でるだけの存在ではありませんでした。見事に咲き誇り潔く散る、そのサイクルに生と死を見ていたのかもしれません。
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