2023-12-07から1日間の記事一覧
梅の花夢に語らくみやびたる花と我思ふ酒に浮かべこそーに云ふいたづらに我を散らすな酒に浮かべこそ 梅の花夢(いめ)に語らく風流(みや)びたる花と吾(あ)れ思(も)ふ酒に浮かべこそ (萬葉集 巻第五 雑歌 852) 大伴旅人 「令和」を開いた万葉集の歌人 作者:辰…
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする詠み人知らず (古今和歌集 巻第三 夏歌 139) 美神宮島知子(玉帆)様 花橘(はなたちばな)煉切製「五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」橘は、かぐわしい香りを放つ花として親しまれてきました。万…
むかし、をとこありけり。女のえうまじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でゝ、いと暗きに来けり。芥川といふ河をゐていきければ、草の上にをきたりける露を、かれはなにぞとなむをとこに問ひける。ゆくさき多く、夜もふけにければ…
秋立日よめる 秋きぬとめにはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行朝臣 (古今和歌集 巻第四 秋歌上 169) (?-901?) 在原業平の妻の妹と結婚。三十六歌仙の一人で、能書家。 Fujiwara-no-Toshiyuki-ason (?-c. 901 C.E.)Married the sister o…
あさましきもの刺櫛(さしぐし)すりてみがくほどに、物に突き障へて(つきさえて)折りたるここち。車のうちかへりたる。さるおほのかなる物は、所狭く(ところせく)やあらむと思ひしに、ただ夢の心地して、あさましうあへなし。人のために恥づかしうあし…