雲心月性
雲心月性
富や名声、地位を求めないことを「雲心月性(うんしんげっせい)」と表現します。これらは無欲であることの形容としても使用されます。
しかし、そもそも「雲心月性」は何を示すのでしょうか?今回はそれら「雲心月性」という四字熟語について解説します。ここではその意味の他に成り立ち、類義語や対義語についても説明します。
「雲心月性」の意味
「雲心月性」は富や名声、地位を求めてないことの例えです。現代には欲望を刺激するものが溢れているのが普通です。
ただ、それを求めないことを「雲心月性」と言います。この四字熟語については雲や月のように清らかで澄み切った心や性質を持つ人の例えとしても使用されます。
特に利益を求めずに日々を淡々と生きる人を指すことが多いです。中でも世俗に対して無欲でいる様子を言うことも少なくありません。
「雲心月性」の成り立ち
「雲心月性」は雲や月という自然の中の存在から来た言葉とされています。
実際にこれは雲や月に人間の心や性質を例えた四字熟語です。雲や月はいつも清らかで澄み切っているような印象があります。その美しさに人間の心や性質を重ねたのが「雲心月性」です。
なお、これらは似た意味を持つ「雲心」と「月性」という熟語を重ねて強調した表現となります。
清廉潔白
「清廉潔白」とは心に私欲が一切ないことの例えです。また、それにより後ろ暗いことがないことも意味します。「清廉」は私欲がない代わりに節度があることを意味します。「潔白」は行いが綺麗でやましいところがないことを意味する言葉です。
それらの点が「雲心月性」と通ずるのではないでしょうか。
光風霽月
「光風霽月」は心にわだかまりがなく爽やかなことの例えです。「光風」は日の光の中を吹き抜ける爽やかな風を意味します。「霽月」は雨上がりに晴れ渡っている空の月を意味します。転じて、この言葉は世の中がよく治まっていることの形容にも使用されることが多いです。それらの点が「雲心月性」と重なるかもしれません。
自然を例えとしているところも同じと言えるでしょう。
無欲恬淡
「無欲恬淡」とは淡泊で欲求がなく物事に執着しないことの例えです。「無欲」はあれやこれやと欲しがらないことを意味します。「恬淡」はこだわりがなくあっさりとしていることを意味します。それらの点が「雲心月性」と似ていると言えるでしょう。
最後に「雲心月性」の対義語も見ておきましょう。
貪欲吝嗇
「貪欲吝嗇」とは強欲で酷く物惜しみすることの例えです。「貪欲」は非常に欲深いことを意味します。「吝嗇」は極端にケチなことを意味します。それらの点が「雲心月性」と相反するのではないでしょうか。
意馬心猿
「意馬心猿」とは煩悩や情欲、妄念によって混乱することです。また、心の乱れを抑えることができないことも意味します。ちなみに「意馬」は走り回る馬を意味する言葉です。また「心猿」は騒ぎ立てる猿を意味する言葉となります。実際にそれら馬や猿が近くにいるとうるさくて落ち着きません。転じて、この言葉は欲にまみれて落ち着かない様子を言うようになったとされています。それらの点が「雲心月性」と真逆と言えるかもしれません。
まとめ
「雲心月性」は無欲な人の形容として使用される言葉です。これらは富や名声、地位を欲しがらないことを言った言葉です。それら欲に支配されずに落ち着いていることを言う四字熟語となります。これらの四字熟語は現代だからこそ知っておきたい言葉です現代には何かと欲望が尽きないことばかりです。だからこそ、それら欲に支配されない生活を送ることも大切なのかもしれません。
「大和言葉」は古くから使われてきた日本固有の言葉
大和言葉とは、日本で生まれ古くから使われてきた言葉で、「和語」ともいいます。日本語には、大和言葉の他に、中国から渡ってきた「漢語」や、西洋の国から渡ってきた「外来語」、さらにそれらを組み合わせて生まれた「混種語」があります。
大和言葉は、時の流れの中で使われなくなってしまった言葉もありますが、現代で使われている言葉のなかにも実は多くの大和言葉があります。
「大和言葉」の特徴
大和言葉には、以下のような特徴があります。
ひらがな言葉や、漢字の訓読みの言葉…「春(はる)」や「山(やま)」など、訓読みの言葉の大半が大和言葉。
オノマトペと呼ばれる、擬音語や擬態語に多い…「さらさら」「しとしと」「ざわざわ」など。
抽象的な単語よりも、具体的な物・現象を表す言葉が多い…「風」を表す大和言葉だけでも「東風(こち)」や「夕風(ゆうかぜ)」「微風(そよかぜ)」など多数ある。
形容詞や動詞の多くが大和言葉で、多義の言葉が多い…「たのしい」や「いく」など、動詞や形容詞の多くが大和言葉。大和言葉の「みる」には「見る・観る・看る・視る」など、多くの意味が含まれる。
身近には大和言葉がたくさんあることがわかります。
いつもの言葉も「大和言葉」に言い換えられる
大和言葉は言葉が持つ印象が優しいため、大和言葉を使うことで相手に対し柔らかい印象を与えることができます。「漢語」にはフォーマルで堅い印象が、「外来語」にはスマートでクールな印象があります。
例えば感謝を伝える場合に、温かみや親近感を感じてほしい場合には「感謝いたします」ではなく「ありがとうございます」を使う、というように、意識的に大和言葉を使うことで相手に与える印象を変えることができます。
言葉遣いが美しい人は、とても魅力的です。響きが美しく、たおやかな「大和言葉」を使いこなしている人からは、品がよく優しい印象を受けることでしょう。この記事では、大和言葉とはどんなものなのかをはじめ、さまざまなシーンで使える大和言葉を一覧でご紹介。意識して普段の会話に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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