月前恋といふことを
月はただむかふばかりのながめかな心のうちのあらぬ思ひに
祝子内親王
(風雅集 983)
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする
祝子内親王
(新古今和歌集 恋歌一 1034)
(百人一首 89番)
祝子内親王
鎌倉時代後期~南北朝時代の皇族、歌人。花園天皇の第5皇女。勅撰集『風雅和歌集』に10首入集。
祝子内親王(しゅくしないしんのう、のりこないしんのう、生没年不詳)は鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての皇族、歌人。
生涯
花園天皇の第5皇女で、母は従三位・葉室頼任の娘、頼子(冷泉局)。貞和2年(1346年)2月20日に内親王となるが、その他の動向についてはよくわかっていない。父や異母姉の儀子内親王と同じく京極派の歌人として活躍し、『風雅和歌集』に十首が入る。
『花園天皇宸記』には、元亨3年(1323年)8月28日に「女王」が着袴を行ったという記事が見えるが、この女王を祝子と同一人物とすれば正和4年(1315年)生まれで、後伏見天皇の生母五辻経子に養育され、元亨4年(1324年)の経子の死去を受けて10歳で出家したことになる。
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