山里は夜ふけなれば月の光人も住まずしてこころだにもなし
詠人不知
(萬葉集 巻第十四 3468)
精選版 日本国語大辞典 「万葉集」の意味・読み・例文・類語
まんようしゅう マンエフシフ【万葉集】
(万(よろず)の世(葉)に伝えらるべき集、万(よろず)の言葉または歌を集めた集の意などといわれる) 現存最古の和歌集。二〇巻。勅撰説もある巻一、二を核として巻一六までが付加され、それに巻一七以下の、大伴家持の歌日記的体裁の四巻が加えられている。現存の形に近いものに最後にまとめたのは大伴家持、成立は奈良時代の末頃とされる。所収歌の歌体は短歌が大部分で、長歌、旋頭歌(せどうか)、仏足石歌、連歌を含む。歌数は約四五〇〇首。他に漢詩文が数編ある。歌の内容による分類は巻によって違うが、雑歌(ぞうか)、相聞(そうもん)、挽歌(ばんか)の三分類を基調とする。作者層は、天皇、皇族、貴族、官人、防人(さきもり)、遊女、乞食者(ほがいびと)などと広く、東国民謡ともいわれる東歌(あずまうた)などもある。五世紀初頭の磐姫皇后や雄略天皇などの作とする伝誦歌を別とすれば、舒明朝(六二九‐六四一)頃から淳仁天皇の天平宝字三年(七五九)までの時代の歌が収められ、個性以前の伝承歌、集団的歌謡から、次第に個我を獲得し、万葉風の確立期を経て、繊細な感覚を詠出した末期に及ぶ。代表的歌人は、額田王、柿本人麻呂、高市黒人、山部赤人、山上憶良、高橋虫麻呂、大伴旅人、大伴家持など。万葉。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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