雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

源氏物語 初音 六首

初音  六首

薄氷 解けぬる池の 鏡には 世に曇りなき 影ぞ並べる

光源氏 ⇒ 紫の上(贈歌)

 

【意訳】
 薄氷の解けた池の澄みきった鏡のごとき水面には、世にも稀なる美しき二人の姿が並び映っております。

 

「鏡」の語は「鏡餅」をも想起させます。当時は鏡餅を供えて新春を寿いでおり、この歌はまさに二人の幸福を寿ぐ趣を帯びております。


 

曇りなき 池の鏡に よろづ代を すむべき影ぞ しるく見えける

紫の上 ⇒ 光源氏(返歌)

 

【意訳】
 曇りひとつなき池の鏡に、これから先も永らく共に住み続ける我ら二人の姿が、明らかに映し出されております。

 

※「すむ」は「澄む」と「住む」との掛詞。「曇り」「澄む」「影」はいずれも「鏡」に縁をもつ語でございます。


 

年月を 松にひかれて 経る人に 今日鴬の 初音聞かせよ

明石の君 ⇒ 明石の姫君(贈歌)

 

【意訳】
 幾年ものあいだ、わが子の成長をひたすら待ち望んでまいりましたが、せめて本日は、その初音をお聞かせくださいますように。

 

※「松」と「待つ」、「古」と「経る」、「初音」と「初子」との掛詞。
※この歌が詠まれた元日は「子の日」であり、「初子(はつね)」の語が込められております。正月にも実の娘に会えぬ明石の君は、「せめて声だけでも」との思いを託したのでございます。


 

ひき別れ 年は経れども 鴬の 巣立ちし松の 根を忘れめや

明石の姫君 ⇒ 明石の君(返歌)

 

【意訳】
 別れて幾年も経ちましたけれども、鶯が巣立った松を忘れ得ぬように、私もまた生みの母君をお忘れできましょうか。

 

※「松」と「待つ」の掛詞。実母に向けて、初めて返歌をした明石の姫君でございました。


 

めづらしや 花のねぐらに 木づたひて 谷の古巣を 訪へる鴬

明石の君(独詠歌)

 

【意訳】
 なんとも珍しく尊いことでございます。花の御殿より木々を伝い、谷の古巣を訪れる鶯のように、わが娘が返歌を寄せてくれました。

 

※「花のねぐら」は紫の上と姫君が暮らす春の御殿、「谷の古巣」は明石の君の住まう冬の御殿を指します。「鶯」は姫君を譬えており、実の娘から返歌が届いたことを心より喜んだ和歌でございます。


 

ふるさとの 春の梢に 訪ね来て 世の常ならぬ 花を見るかな

光源氏(独詠歌)

 

【意訳】
 二条東院の春、その梢を訪ねてみますと、世にも珍しく紅梅の花の咲き誇るさまを目にいたしました。

 

※「花」の語には「鼻」の意も掛けられ、末摘花の赤き鼻を暗示しております。源氏は久方ぶりに二条東院の末摘花を訪ね、昔と変わらぬ風流を解さぬ姿に、懐かしさとともに一抹の嫌悪をも覚えたのでございます。

 

 

ひき別れ 年は経れども 鴬の 巣立ちし松の 根を忘れめや

明石の姫君 ⇒ 明石の君

 

親子の情のきらめき
 この返歌は、母と子との再会の叶わぬ年月を経て、なおも母への思慕を託したものにほかなりません。華やかな恋歌や賀歌に比べ、子が母に心を寄せる姿は、ひたむきで儚く、それでいて尊い響きを帯びております。

 

掛詞と余情の妙
 「松」と「待つ」の掛詞によって、待ち続ける母の姿と、忘れることのない娘の心とが響き合い、和歌の簡素な形に深い情感を宿しております。そこには、王朝文学特有の抑制された表現のなかに、かえって濃やかな情が浮かび上がっております。

 華やぎよりも、むしろ静かな余情と血の絆の温かさを湛えるこの歌が、わたくしにとりましては最も心に沁み入る一首でございます。

 

多紀理の小詠

別れ来て 年のしらべは 移れども
根を張る松を 忘れはせじな

 

意味

 長い別離の歳月が流れゆこうとも、巣立ちの松の根が変わらずにあるように、私は母への思いを決して忘れはいたしません。

 

 姫君の心情をそのまま現代に置き換えると、やや直截に響いてしまいますので、あえて「年のしらべ」「根を張る松」といった余韻を含む語を添え、しずかな調べを保つよう工夫いたしました。

 


 

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