雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

2023-12-04から1日間の記事一覧

萬葉集 巻第十 2632

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 山上憶良 (萬葉集 巻第十 2632) 「鹿下絵新古今集和歌巻断簡(西行法師)」(画)俵屋宗達(書)本阿弥光悦(山種美術館蔵) https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/215347 新版 万葉集 現代語訳付…

和泉式部日記

宮より「雨のつれづれはいかに」とて おほかたにさみだるるとや思ふらむ君恋ひわたる今日のながめを とあれば、折を過ぐしたまはぬををかしと思ふ。あはれなる折しもと思ひて、 しのぶらむものとも知らでおのがただ身を知る雨と思ひけるかな と書きて、紙の…

拾遺和歌集 64

桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞふりける紀貫之(拾遺和歌集 64) 中村素堂先生の書 中谷春径先生所蔵 多紀理 稚筆 紀貫之は『古今和歌集』の選者のひとりで、仮名日記文学の傑作『土佐日記』の作者。『藤房本(ふじふさぼん)三十六歌仙絵(模本)…