瑠璃色の彼方に：『竹取物語』と平安時代の色彩の美

『竹取物語』にも登場する瑠璃色とは、一体どのような色なのでしょうか？

　瑠璃色について、皆様はご存知でしょうか。私自身、この色については耳にしたことがあったものの、詳しくは把握していませんでした。そこで、その色について再考してみたいと考えています。

　瑠璃色は色彩コードで#1e50a2に該当し、鮮やかな青紫系の色合いです。紫色は平安時代の貴族文化で高貴な色とされていたため、瑠璃色もまた高貴な色の一つだったのでしょう。

#1e50a2

　紫色と平安時代を考えると、どうしても紫式部を思い浮かべてしまいます。しかし、瑠璃色に関連して思い出すのは、『竹取物語』の一節「金、銀、瑠璃色の水、山より流れいでたり」です。この一文を現代語にすると『金・銀・瑠璃色の水が山から流れ出ています』となります。小学4年生の頃にこの物語を読んだとき、瑠璃色がどんな色かを考えた記憶がよみがえります。

　調べてみた今でも、青紫色の水に対しては「毒」というイメージが付きまといます。その感覚は恋愛に似ているように感じられます。頭では貴重なものの比喩表現だと理解しながらも、心がそれに追いつかないのです。

　このように考えていると、子供の頃のかぐや姫の印象がよみがえります。かぐや姫が求婚してきた男性たちに無理難題を突き付けて結婚を断念させ、最終的には月に帰る展開は、彼女が男性たちを振り回す女性として描かれているように感じました。物語では、富も名声も兼ね備えた男たちや帝でさえも振られる様子は、物語でありながらも衝撃的でした。もし『竹取物語』と出会っていなかったら、私の人生は大きく変わっていたかもしれません。

　再び『竹取物語』を読み返してみると、『天人の持参した不死の薬』が瑠璃色だったのではないかと考えることがあります。帝に渡すシーンも夜のイメージがあり、夜中から夜明け前の澄んだ空気に瑠璃色が似ているように感じます。振り返ると、昔から青系の色が好きで、夜中から夜明け前の時間も好ましく感じていました。この文章を書いている時も、その時間帯に近いことに気づき、瑠璃色が身近なものであったのかもしれません。

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