からごろもうつこゑ
きけば月きよみ
まだねぬ人を
さらにしるかな
(和漢朗詠集 351 秋 擣衣)
歌詠 多岐都

【新編日本古典文学全集「和漢朗詠集」(訳者・菅野禮行・小学館)の訳】
衣を擣つ砧の音がする。
それを耳にしていると、
月が明るいのでまだ寝ずに夫を思いつつ
衣を擣っている女性がいるのだなあと、
空に響く砧の音でそれとなく分かることだ。
【意訳】
砧の音や、
月の様子や
周りの雰囲気から
(彼女が夫のことを想ってその作業を続けていることを)
察することができますよ。
砧の音が聞こえてまいります。
衣を打ち柔らげるその響きに耳を澄ませば、月は澄みわたり、清らかに美しく輝いておりました。
今宵もまどろむことなく、衣を擣つ人の姿が偲ばれます。
目には映らずとも、砧の音、月の趣き、辺りの気配より、
夫を想う心のほどが、おしはかられることでございます。
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