大納言成通、文遣はしけれど、
つれなかりける女を、
後の世まで恨み残るべきよし申しければ
たまづさの通ふ
ばかりになぐさめて
後の世までの
恨み残すな
詠人不知
(新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1103)

意訳
題詞
藤原成通が恋文を贈ったものの、そっけない態度をとった女性を、来世にまで未練を残しそうだと嘆いていたので、この歌を詠みました。
作者
藤原成通から恋文を頂いた女。
私の名は伏せておきます。
ただ、お手紙を交わしたまでのこと。
お手紙を交わしたくらいで、心を通わせたり、男女の仲になったりすることはございません。
どうかお心を鎮め、冷静になられますよう。
この世を去られた後まで未練を残し、嘆かれることのなきように。
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