雲心月性...

慈愛する和歌を拙筆くずし字で紹介致します。

レポート

和歌英訳における意味生成の非可換性――音韻・修辞・文化記号の三層構造と翻訳行為の限界に関する批評的考察

和歌英訳における意味生成の非可換性――音韻・修辞・文化記号の三層構造と翻訳行為の限界に関する批評的考察 多紀理 【序論】 本稿は、日本語和歌を英語へと訳出する際に生起する困難を、言語構造・音韻修辞・文化記号の三層において分析し、翻訳行為に内在す…

円周率が、3.05より大きいことを証明せよ。

円周率が、3.05より大きいことを証明せよ。(2003年 東京大学) 多紀理の解き方 発想 円のまわりの長さ(=円周率)は円の中に入る多角形より必ず長い だから→ 円の中に「そこそこ丸い形」を入れて→ その周の長さが3.05より大きければOK というだけです。 「円…

設問

設問 次の和歌について、 1. 文献学的背景(成立年代、歌群としての位置づけ、作者の境涯) 2. 語彙・表現技法の精査(造語性、象徴性、音律) 3. 新古今的美意識(幽玄・あはれ・余情・象徴化の手法) 4.「春歌」に分類されながら冬景を詠むという構造…

静寂のなかに咲く茶のこころ――千利休と表千家の美意識

静寂のなかに咲く茶のこころ――千利休と表千家の美意識 多紀理 はじめに ひと碗の茶に、なにを託すか。それは一服の香りにとどまらず、人の世における関係性の澄明を願い、また、無言のうちに交わされる美意識の極みとも申せましょう。千利休は、まさしくこの…

『萬葉集』巻五と巻十一の贈答歌における〈言葉〉と〈まなざし〉の交差

『萬葉集』巻五と巻十一の贈答歌における〈言葉〉と〈まなざし〉の交差 —形式と倫理性の比較分析— 多紀理 1.はじめに 日本最古の歌集である『萬葉集』における贈答歌は、単なる言葉の遣り取りを超え、相手の〈まなざし〉を映し出し、その内心を慮る詩的行…

かぐや姫に秘められし暗号──記号論的視座からの超解釈

かぐや姫に秘められし暗号──記号論的視座からの超解釈 多紀理 序章 研究の視座と意義 『竹取物語』は、我が国最古の物語文学として広く知られておりますが、その物語構造には単なる説話を超えた複雑な象徴性が潜んでおります。かぐや姫が月から地上に降り、…

アメリカ合衆国における日本文化の受容と展開

アメリカ合衆国における日本文化の受容と展開: イェール大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、ウェスタンミシガン大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、カリフォルニア大学バークレー校における茶道、書道、『源氏物語』研究を中心に 多紀理 …

『紫式部集』における恋歌と哀傷歌の表現と意義

『紫式部集』における恋歌と哀傷歌の表現と意義 多紀理 はじめに 『紫式部集』は、平安時代中期の女流歌人であり、『源氏物語』の作者としても名高い紫式部の和歌を集めた家集である。この家集には、恋愛に関する歌(恋歌)や、愛する人の死を悼む歌(哀傷歌…

和歌における「見立て」および「本歌取り」の技巧と作者の主体性・創造性の関係性の考察

和歌における「見立て」および「本歌取り」の技巧と作者の主体性・創造性の関係性の考察――インターテクスチュアリティ理論を援用して 多紀理 はじめに 和歌は、古来より日本文化の精髄として、多くの人々に愛されてまいりました。その中でも、「見立て」や「…

風雅のこころとうつろひ

風雅のこころとうつろひ――『古今和歌集』と『新古今和歌集』における自然詠の美的理念の変容 多紀理 はじめに 〜山川にしるき心〜 日本の古典文学において、自然の情景は単なる背景ではなく、心情を映し出す鏡として詠まれ続けてまいりました。とりわけ和歌…

中世和歌における無常観の表現とその変遷—鎌倉期と室町期の比較を通じて

中世和歌における無常観の表現とその変遷—鎌倉期と室町期の比較を通じて 多紀理 はじめに 日本の中世和歌において、「無常観」はひときわ重要な主題として繰り返し詠まれてまいりました。草木の移ろい、花の盛りと散り際、あるいは人の命の儚さなどを題材と…

中世和歌における仏教的思想表現と形式の緊張

中世和歌における仏教的思想表現と形式の緊張――西行・寂蓮・慈円を中心に―― 令和七年度 春学期王朝和歌の理論と表現 提出レポート 氏名:宗像多紀理提出日:令和七年五月所属:⚫️⚫️大学大学院 文学研究科 ⚫️⚫️専攻 後期博士課程 問題3:中世和歌の思想的転回…

見立ての美学と政治性──勅撰集から王朝物語における象徴的表現の位相

見立ての美学と政治性 ――勅撰集から王朝物語における象徴的表現の位相―― 令和七年度 春学期王朝和歌の理論と表現 提出レポート 氏名:宗像多紀理提出日:令和七年五月所属:⚫️⚫️大学大学院 文学研究科 ⚫️⚫️専攻 後期博士課程 問題2:和歌における「見立て」…

和歌の詞書と物語的文脈に関する考察

和歌の詞書と物語的文脈に関する考察 ――平安期の和歌叙述における視点と語りの諸相―― 令和7年度 春学期日本古典文学研究特講 提出レポート 氏名:宗像多紀理提出日:令和7年5月所属:⚫️⚫️大学大学院 文学研究科 ⚫️⚫️専攻 (問題1) 平安期の歌日記や歌物…

活用体系における思惟の型――古典文法が映す日本人の心のかたち

活用体系における思惟の型――古典文法が映す日本人の心のかたち 宗像多紀理 序章 日本語の文法体系、とりわけ古典文法における動詞・形容詞の活用体系は、単なる言語操作の技術ではなく、その背後にある思惟の型――すなわち世界や人間、他者との関係性に対する…

『枕草子』と平安文化の符牒――清少納言が描いた恋と知の暗号

『枕草子』と平安文化の符牒――清少納言が描いた恋と知の暗号 多紀理 はじめに 清少納言による『枕草子』は、平安時代の中期、一条天皇の御代における宮廷生活を巧みに描き出した随筆でございます。平安時代とは、実に約四百年ものあいだ続いた日本の歴史上長…

古典文法の深層へ──小西甚一『古文研究法』をめぐる精緻なる思索

古典文法の深層へ──小西甚一『古文研究法』をめぐる精緻なる思索 宗像多紀理 一、はじめに 小西甚一の著書『古文研究法』(明治書院、1964年)は、古典文学・古典語に携わる者にとって一つの金字塔といえる存在である。とりわけ大学院レヴェルで古典文学を専…

魂の羽ばたきを導く言葉――プラトン『パイドロス』における愛と修辞の本質

魂の羽ばたきを導く言葉――プラトン『パイドロス』における愛と修辞の本質 プラトンの対話篇『パイドロス』は、ひと目には恋愛や弁論術についての優美な語らいの書として映るが、その深層には、哲学の根幹をなす重大な主題――すなわち魂の本性、真理への志向、…

苦悩の静謐――マルクス・アウレーリウス『自省録』における内なる葛藤の哲学的省察

苦悩の静謐――マルクス・アウレーリウス『自省録』における内なる葛藤の哲学的省察 ローマ帝国の最盛期を治めた五賢帝の最後の君主、マルクス・アウレーリウス。彼が遺した『自省録』は、哲人皇帝としての面貌を余すところなく伝える珠玉の哲学的日記である。…

『細雪』に見る女性像の神話的構造――宗像三女神と木花咲耶姫との照応を通して

『細雪』に見る女性像の神話的構造――宗像三女神と木花咲耶姫との照応を通して 谷崎潤一郎の代表作『細雪』には、戦前の大阪・神戸を舞台に、蒔岡家の四姉妹がそれぞれの人生を歩むさまが丹念に描かれている。この作品はしばしば、没落貴族の哀愁や、旧家の女…

『竹取物語』に見る女房文学の精神──かぐや姫と小町の系譜をめぐって

『竹取物語』に見る女房文学の精神──かぐや姫と小町の系譜をめぐって 『竹取物語』には十五首の和歌が挿入されており、その内訳は、かぐや姫によるものが六首、石作皇子・車持皇子・帝がそれぞれ二首ずつ、そして竹取の翁、阿倍御主人、石上麻呂が一首ずつと…

問題二:本歌取りの技法と思想的意義についての研究

本歌取りの心、いかにぞ本歌取りは、ただ技を競ふ引用にあらず。心の深みに及び、世の理や人の情を継ぎゆくものなり。古今集、拾遺集、新古今集など、和歌の流れにそひて、本歌取りの妙はいとめでたく、歌人の志を映す鏡のごとし。されば、かかる歌々の例を…

問題一:和歌における「もののあはれ」の表現と美学の変遷について論ぜよ

課題内容: 『源氏物語』をはじめとする平安朝文学における和歌の用例を三首以上取り上げ、それらに共通する「もののあはれ」の感性がどのように表出されているかを分析せよ。また、中世和歌(たとえば藤原定家や西行の歌)と比較しつつ、その美学的変遷につ…

問題一:和歌における「もののあはれ」の表現と美学の変遷について論ぜよ 課題内容:『源氏物語』をはじめとする平安朝文学における和歌の用例を三首以上取り上げ、それらに共通する「もののあはれ」の感性がどのように表出されているかを分析せよ。また、中…

揺曳する時の感性――小林秀雄とベルクソンの時間観に寄せて

揺曳する時の感性――小林秀雄とベルクソンの時間観に寄せて 宗像多紀理 小林秀雄が生涯を通じて見つめ続けた「美」と「真実」の探究において、時間という観念は決して副次的なものではなかった。彼の批評文の底流には常に、対象のうちに潜む「時の気配」をす…

『源氏物語』に映る紫式部の思索――雅と現実の交錯

『源氏物語』に映る紫式部の思索――雅と現実の交錯 宗像多紀理 『源氏物語』は、平安中期に紫式部が著した長編物語であり、日本文学の金字塔として輝きを放つ。本作が成立した時代、貴族社会では和歌や漢詩が教養の一環として重視され、文芸は宮廷文化を形成…

『枕草子』に見る清少納言のまなざし

『枕草子』に見る清少納言のまなざし 平安時代の才媛・清少納言が著した『枕草子』は、日本三大随筆のひとつに数えられ、千年を超えて今なお多くの人々に親しまれています。本作には、宮廷生活の華やかさや四季の移ろいが優雅に描かれる一方で、率直な人物評…

ドストエフスキーの人間観—矛盾・道徳・救済の交錯する世界

ドストエフスキーの人間観—矛盾・道徳・救済の交錯する世界 宗像多紀理 フョードル・ドストエフスキー(1821-1881)は、人間の心理の深奥に迫る文学を遺した作家であり、その作品群は近代文学における金字塔として高く評価されている。特に『地下室の手記』…

米国における和歌の位置付け—小野小町・和泉式部・紫式部・清少納言—

米国における和歌の位置付け—小野小町・和泉式部・紫式部・清少納言— 多紀理 和歌は日本の伝統的な詩歌の形式であり、千年以上の歴史を有する文化遺産です。特に、小野小町・和泉式部・紫式部・清少納言といった女性たちは、和歌を通じて自身の感情や思想を…

和歌における色彩とオノマトペ——日本人の感性が捉える視覚と聴覚の特異性

和歌における色彩とオノマトペ——日本人の感性が捉える視覚と聴覚の特異性 宗像多紀理 1. はじめに 和歌は、日本文化における詩歌の精華であり、古来より四季の移ろいや心情の機微を詠み継がれてきた。その表現には、色彩と言葉の響きが巧みに織り込まれ、聴…